ここに来てくださる方の関心は様々だけれど
「洗濯はどうしているのか?」と時々聞かれる。
この家はソーラーだけで電力を賄っているから使える電気は限られているし、
当然ながら天候に大きく左右される。
それでも洗濯機は使える。
ただし晴天の日の昼間限定で。
ちなみに今この文章を書いている本日は最高の洗濯機稼働日和だ。
この家での洗濯機稼働日和とはただ太陽がさんさんと照っているだけではダメで、
それはなぜかと言うと水も自給しているから。
水を自給というと山の湧水や井戸水を想像する人もいるかもしれない。
井戸や湧水も憧れるし暮らしの中で使ってみたいが、
この家の場合は家の中で使う全ての水が元は建物の屋根に降った雨だ。
その雨を貯水タンクに溜めてから飲料レベルまでろ過して使う。
だからいくら天気が良くて洗濯物がすぐに乾きそうだと思っても、
雨水の貯水量が少なければ洗濯はできないし、
逆に水が満タンだとしても蓄電量が少なく晴天でなければやっぱり洗濯機は回せない。
もどかしい。
そんな時に限って宿泊予約が続いたりするもので、
ありがたいし感謝の気持ちでいっぱいな反面、
ある程度タオル類やシーツのストックはあるものの
溜め続けるわけにはいかないから何とか一回は洗濯機を回せそうな時を見計らい、
絶対に今日明日で必要なものと、
今すぐに洗わなくても良いものとを慎重により分け洗濯槽に入れ、
覚悟を決めて洗濯機のボタンをオンにする。
貯水量が少ない時は、マニュアル仕様にして水量を「低」に設定し直す。
それでも「ゆすぐ」のタイミングのたびに聞こえる
蛇口から洗濯槽に勢いよく流れ込む注水音は毎回私を緊張させる。
ガッチャン、ザーーーーッという
その音が聞こえると何をしていても反射的に洗濯機のところへ向かってしまう。
そして半分クリアで中の様子が見える上部の蓋から、
流れ込む水をじっと覗き込む。
別に私が監視したからといって注がれる水の量が少なくなるわけでもないのに。
洗濯機の表示が正確だということだって百も承知だけれど、
毎回この水の量って本当に35リットルだろうか、
何かの間違いでもっと大量に注水されているのではないかという思いさえよぎる。
ちなみに35リットルとは設定を「低」にした時の水量だ。
そんなわけで洗濯完了を知らせるピーピーピーというあの音は、
私にとってある意味心底ホッとするサウンドだ。
よかった、電気も落ちなかったし水もちゃんと足りた。
洗濯機を回す、
このごく当たり前の日常がここに住み始めてからは全く異なる1大イベントとなった。
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