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  • 執筆者の写真Tomoko

これでいいのだ

更新日:2022年10月12日

今朝トイレの掃除をしていたら、突然ドアの外で

「おっはよおさん」という聞き慣れた声。


アースシップから一番近い家のNさんだ。

玄関に出てみると、Nさんの背後の軽トラの荷台に

前から言っていた例のものが積んである。


おおおー!やったー!とうとうですね!

荷台に積まれているのは緑色のプラスチック製工事用フェンス。


なんで工事用フェンスにテンションが上がるかというと

それにはこんな事情がある。


アースシップの前の敷地で畑をするというのが

前々からの私の夢で、

ここに住み始めてすぐの2年前に実行したのだけれど

結局うまくいかなかった。

ダメだったというのは、

作物のできが悪かったとかそういう話でなく、

イノシシに全てやられてしまったということ。


考えてみれば、

山の中で柵も何もせず

イノシシが大好きなサツマイモの苗をたんまり植えたのだから

そりゃあそうだ。

はいイノシシくん、君達のために芋を育てましたよ

どうぞ好きなだけ食べてね、

と言っているようなものだった。


ある朝起きて

芋がそろそろ育っているかなと思い

一つ試し掘りをしに畑に行くと

まるでブルドーザーが入ったみたいになっていた。

呆然と立ち尽くす、

という表現がぴったりなシチュエーション。

あの記憶が脳裏に焼き付いて

それ以来畑をする気に全然なれなかったのだけれど、

ずっと畑をしたい気持ちはあった。


それでそんな話を1か月前にNさんの奥さんにしたところ

「そんならお父さんに言っといてあげるわ、

なんか柵があったと思うよ」と。


私「なんかさー、アースシップの目の前で目立つ場所だから、

あんまりいかつくないフェンスにしたいなー」


「それも言っとくよ」


そしてつい1週間くらい前、

「柵の用意できとるよ、家の塀に洗って立てかけてあるから見に行ってみれば」

と奥さん。

果たして、Nさん宅まで行ってみると、

明るい緑色の工事用フェンスがたくさん並べてあった。


え、こ、これは、すごい存在感な予感がする。

でも元はといえば、私がいかつくない感じがいいなどと言ったから、

獣害避け用に使う普通の鉄格子の柵とは違うものを

わざわざ探してくれた結果なのだ。


それに自分の記憶を辿ると確か、

「いかつくなくて、ほらガーデニング用のグリーンのフェンスとかいいよね。」

なんてチラッと言っていたことも思い出した。

うん、確かに緑色がいいって言った。


聞けば、同じ地域の建設関係の会社をしている方のところから

使わなくなった現場用の柵を頼んでもらって来てくれたらしい。

しかも、Nさんは洗ってくれてまでいる。


なんだか、わからないけれど、これでいいのだ。

というかきっとこれが一番いいのだ。


それにサツマイモの苗を植える頃には

周りの景色ももっと鮮やかな新緑に包まれているはずだから、

案外この緑色が結構溶け込むのかもしれない。

そうだ、きっとそうだ。


そして今朝、

とうとう件のフェンスが運び込まれた。

これでやっと念願の芋畑ができるという嬉しさもひとしおな反面、

やっぱり正直、結構目立つ気がする。


私「なんかやっぱり結構明るい色だよね、目立つかな」


Nさん「構わんよ、使わないならうちの畑で使うから。

まあでも後から好きな色に自分で塗ったらば」


私「そうか!なるほどその手があった!そうします。」


そんなこんなで、フェンスの設置に取りかかった。

慣れた手つきで1枚づつサクサクと土に埋め込むNさん。

おかげで4枚目まではものの30分で設置完了。

5枚目からは自分でやりなさいと言われ、

道具も置いていってくれたけれど、

これが見るのとやるのとは大違いで、意外に難しい。

ちなみにまだフェンスは全部設置しきれていないのだけれど、

気になりすぎて、山の下の町のホームセンターで塗料を早速購入し

右端の1枚に少し塗ってみたのが下の写真です。


良いと思う。


これから夏にかけてもっと周りの緑も濃くなって

そして柵の周りでオレガノやセージなどハーブも育てるから

きっとこのブラウン系が景色に馴染んでいくと思う。


ちなみにこのプラスチック製フェンスには

下の方に商品名がプリントされていて、

それは「ベスト フェンス」という名前だった。

その通り。

やっぱり、これでいいのだ。





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